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よく来るお客様の話
私は店に立つとき、よくお客様の観察をしている。
もちろん名目はお客様調査である。しかし時々興味深いお客様に出
会うと、ふと仕事を忘れてしまうことがある・・・。

例えば・・・時々休みの日に来る仲良し3人組。20代前半位であろう
女の子達。いつも同じメンバー3人で同じ物を注文し、2時間ほどしゃ
べって帰っていく。 
しかしある時からメンバーの1人が変わった。なぜだろう?あの今まで一
緒だった彼女は一体どうしたのだろう・・・?でもお客様にそんなことを聞
くわけにはいかない。今でも新メンバーで休みになるといつものように来
てくているが、例の彼女はあれ以来全く来なくなってしまった。結婚して
遠くへ行ってしまったのか?喧嘩でもして仲違いしてしまったのか?それ
とも・・・?結局真相は分からず終い。

例えば・・・最近毎日のように昼の早い時間にやって来る青年。
いつも1人で来て、小一時間ほどぼんやりして、コーヒーを一杯飲んで
帰っていく。特に本を読むわけでもなく、待ち合わせという風でもなく、た
だぼんやり店の中をみたり、他の客をみたり、煙草を吸ったり・・。
一体彼はどんな境遇なのだろう?私は毎回勝手にテーマを決めて想
像してみるようになった。しかしどれも全く根拠はなく、また当たりそうも
なかった。
ある時、そんな彼と話すチャンスがやってきた。私は今までの勝手な想
像を確かめるべく、それとなくうかがってみた。すると彼は作家の卵だと
言う。今は町中にあるカフェを舞台にした物語を考えていて、カフェの仕
事がどんなものなのか、それとなく私を観察していたのだそうだ。さらに、
彼も私がどんな境遇の持ち主なのか、勝手に想像し、物語に登場さ
せていたそうだ。なんとまぁ。どおりでよく目が合うと思った・・・。

このカフェを始めてから、実にいろんな人に出会ってきた。
この商売をしていなかったらまず出会わなかったであろう人たちばかり。
とても初めて出会ったとは思えないほど話が弾んだ人、聞いたこともな
いような職業の人、いつも同じ曜日の同じ時間に来る人、何度も来
てくれているのに、いつも同じものしか注文しない人・・・。
出会いと別れの繰り返し。たまに嬉しい再会もある。
実におもしろい商売だ。
次は一体どんなお客様がやってくるのだろう?そんなことを考えながら、
今日もまた想像に忙しい。












PM 12:49